第二届人民中国杯日语国际翻译(笔译)大赛赛题
组别:高职高专组
项目:日译汉
日本語には「分別ができる」という表現がある。この分別はどのようにしてでき上がるのだろうか。それは、直立して自由に使えるようになった二本の手によってである。言葉による思考や推論が発達する以前に、子供は既に手によって分別ができる。人間の手は、脳よりも一足先に分別し、考えるのである。
立って歩き始めた子供は、身の回りのあらゆる物に興味を持ち、手で触れて回る。平らな物、でこぼこのある物、砕ける物、ちぎれる物、音を立てる物、無言の物、ぬれている物、乾いている物、触ると快い物、不快な物。こうして子供の手は、触覚によって物の性質を知り、微妙な差異を分別する。赤ん坊の段階では自分と物とは区別されなかった。
手は左右二本あるが、多くの人は右利きである。その原因はいろいろ言われてはいるものの、定説はない。北半球では太陽の光を身体の右側に多く受けるので、右手が優位になったと説く人がいる。また、人体は心臓が左に寄っているので、左手は専ら心職を守り、右手は道具を使うようになったのだと主張する人もいる。
右利きの人は、中心的な細かい仕事は右手で行う。矢を射る人は、右手で弦を引き、左手で弓を押さえる。読書する人は、右手でページをめくり、左手で本を支える。このように大昔から現代に至るまで右手は「分ける」こと、左手は物をつかみ、全体をしっかり「押さえる」ことをしてきた。左手の働きは、補助的なものではなく、良い効果を得るためには不可欠なものだ。「分ける」前に「押さえる」ことが先行する。そして、この二つの働きは、安定し、うまく統合されていなければならないものである。
よく知られているように、右手は左脳に、左手は右脳に支配されている。左脳には言語中枢があり、主に分析的、理論的な思考にかかわっている。それに対して、右脳は、図形や音楽など芸術的な認識や、直観的、総合的な思考に関係がある。左脳ばかりを働かせると、分析的能力のみが発達して、常識には富むが、創造性に欠けるようになる恐れがある。逆に、右脳の働きばかりが強くなると、理性よりも感情が勝つというような不安定な性格になりやすい。
こう見てくると、右手と左手、右脳と左脳がバランスよく補い合い、協調し合ってこそ健全な精神活動ができるといえる。心を統一したり、神に祈りをささげたりする時合掌するという我々の行為は、まさにこのことを象徴的に物語っている。
分ける・抑さえる−−手の機能——《現代の国語》